言葉紹介♪ 英語で読む「悲しみよこんにちは」~フランソワーズ・サガンの言葉たち~
英語で読む、フランソワーズ・サガン
この文章を書いている私・ハミングは、フランソワーズ・サガンが大好きです。
思春期に「悲しみよこんにちは」に出会い、学生時代にサガンの本を読み漁り、妙齢になった今でも暇があれば読み直します。
学生時代に英語を勉強していたこともあり、学生時代には図書館から英語版のサガンの本を借りて、テスト勉強そっちのけで夜な夜な読み漁った時期もありました。
(そんなに好きなら原著を読んだら?と思われたかもそれません💦 ハミングもそう思ってフランス語の勉強をトライしてみたのですが、難しすぎてギブアップしました・・・。もう少し時間が出来たら、ぜひもう一度学んでみたいです)
サガンの物語は、ストーリーはもとより、文章がとても美しい。
それは日本語訳だけではなく、英語でも同じです。
ぜひ、その素敵で心に残る文章をシェアしたいと思い、今回記事にしました。
英語を勉強されている方には、文法や情的な単語も学べて、特に役に立つかと思います♪
ちなみにフランソワーズ・サガンの人物紹介と、処女作かつ代表作の「悲しみよ こんにちは」のあらすじと簡単な書評については、下記の記事で触れています♪
お時間があれば、ぜひご覧になってください♪♪
quotesfromliterature.hatenablog.jp
「悲しみよこんにちは」の英語の名文
“A Strange melancholy pervades me to which I hesitate to give the grave and beautiful name of sorrow. The idea of sorrow has always appealed to me but now I am almost ashamed of its complete egoism. I have known boredom, regret, and occasionally remorse, but never sorrow. Today it envelops me like a silken web, enervating and soft, and sets me apart from everybody else.
おすすめの一冊♪ 「悲しみよ こんにちは」フランソワーズ・サガン / 1954年
”物憂さと寂しさがつきまとって離れないこの見知らぬ感情に、悲しみという重々しく立派な名をつけていいものか、私は迷う”
かの有名な、「悲しみよこんにちは」の冒頭の有名な一文。
すると何かが私の中に湧きあがり、私はそれを、眼をつぶったままその名前で迎える。かなしみよ こんにちは
そしてこれが、有名なラストの文章。
作者はフランスの女流作家、フランソワーズ・サガン(1935年6月21日- 2004年9月24日)。
「ブラームスはお好き」や「愛の中のひとり」などの名作を多数生み出した彼女の代表作といえば、やはり「悲しみよこんにちは」だろう。
戦後しばらくのフランス。
裕福な家庭の17歳の少女、南仏の別荘で父と夏休みを過ごす。少女の母は亡くなって、父はその旅行に三十路の愛人を同行させた。
3人は刹那的な毎日を送り、時間を浪費する。そのうち、少女は少し年上のハンサムな青年と恋仲になる。
少女は暇を持て余すように、海で泳ぎ、着飾ってパーティに出向き、昼過ぎに起きて青年に連絡をし、父やその愛人に愛想よく接する。
何不自由なく満ち足りた生活に転機が訪れたのは、亡き母の友人で少女とも面識のある中年女性が、彼らのもとへ現れたときのことだった。
年相応に美しく教養のあるその女性に、父は心を惹かれていく。父がこれまで相手をしてきた美貌だけが取り柄の愛人たちは、持ち合わせていない繊細さと知性だった。
女性は真面目で冷たい表情ながら、父に好印象を抱く。
少女は誰よりも早く、その事実に気づく。そして、その満ち足りた現状の平穏を乱すであろう事実に、途方もない不安と不快感を抱く。
少女は父を中年女性に奪われないよう、父の愛人と自分の恋人が付き合っているように見せ、父の自尊心をくすぐり闘争本能と独占欲を擽る作戦にでる。
父は、聡明な大人の女性と美貌の愛人との間で揺れ動く。最終的に父は、中年女性にプロポーズをしながら、別れたはずの愛人と関係を持ってしまう。
父の裏切りを知った女性は、少女たちを置いて南仏を去る。
自身の握るハンドルで帰路につく道中、中年女性は自損事故を亡くなってしまう。
狡猾な少女の、けれど年相応に稚拙なたくらみは、聡明な女性を失ったことで結末を迎える。
ぽっかりと心に穴の開いたような喪失感を持て余しながら、少女は自身を襲う感情に名前を付ける。
かなしみよ こんにちは。
こんなに緻密で魅力的なプロットを、当時18歳の少女が書き上げたなんて。
驚きと感嘆が漏れますね。
美しく引き込まれる心情描写に、奔放でその様を隠そうともしない不道徳なブルジョアシーの親子、衝撃的な喪失感を伴うラスト。
サガンの文章力、構想力、発想力に、世界中が驚き、たちまちベストセラーとなりました。
一躍時の人となり億万長者となったサガンは、「悲しみよ こんにちは」の世界観と同じく、刺激的で波乱万丈な人生を送ります。
はいて捨てるほどの財産を築いたにもかかわらず、持ち前の享楽的で刹那主義の性格も相まって、晩年は無一文状態になってしまい、知人に身の回りの世話や金銭的援助を受けていたり。
かと思えば、ギャンブルにめっぽう強い面もある。カジノで勝ったお金で別荘を一括購入したり、友人たちに気前よくプレゼントを渡して回ったことも。
恋愛面では、数度の離婚歴や奔放な私生活から、スキャンダルの的でもあった。
それでも彼女の紡ぎ出す文章はどれも魅惑的で情緒豊かで、誰もが彼女の紡ぎ出す世界に熱中した。
知れば知るほど、読者はフランソワーズ・サガンの魅力にはまってしまいます。
この文章を書いている私、ハミングもそのひとりです。
有り触れた感想ですが、本書「悲しみよこんにちは」は、日本語の訳もとても読みやすく、理解しやすい情緒的な1冊で、古典に興味がある方に本当におすすめです。
これまでサガンを読んだことのない方、読書自体に慣れ親しんでいらっしゃらない方にも、非常にフレンドリーな本です。
個人的にも、サガンを読んだことのない友人に本書を貸してみたのですが、「読みやすかった!」と好評でした。
お時間がある際に、手に取ってみられてださい。
時間が無駄になったと後悔するようなことは、きっとないと思います。
書評およびハミングの感想は、以上となります♪
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
はじめましてブログメディア、お久しぶりです文学
はじめまして。
田舎で在宅で翻訳と執筆をしている、ハミングといいます。
旅行と読書と麻雀と甘いものが好きで、ぬくぬくマイペースに一人暮らしています。
半年ほど前から家で仕事をはじめて、外との繋がりがだんだん無くなってきてしまいました。
このままでは社会と断絶してしまう!と怖くなったので、趣味のひとつして文学に関する記事を書いてみよう、と思ってブログをはじめました。
哲学や文学がとても好きでした。詩歌も絵本もとても好きでした。
幼少期は、ピーターラビットやピーナッツ、星の王子さまの絵本を擦り切れるほどに読んでいました。
思春期は、星新一やフランソワーズ・サガンに胸を躍らせていました。
学生時代は、ウィトゲンシュタインやパスカル、スティーブン・キングに傾倒していました。
社会人になって久しい現在、昔と比べて読書への熱意は薄れてしまったように思います。
手に取るのは仕事関係の本だけで、学術書や専門書はおろか、小説や漫画すらからも遠のいてしまいました。
ありがたいことに仕事で毎日忙しいのですが、読書の時間すらとれないのは本意ではないので、時間を作って読書を再開しようと思います。
備忘録的に、読み直した本や良書をおすすめさせて頂きたいと思います。
完全に趣味の内容にはなるかと思いますが、細く長くゆったり続けていきますので、末永くお付き合いいただければ嬉しいです!
最後までお読みいただき、ありがとうございました!